第三部はこちら↓。
目次
青蓮院ランドスケープ
知恩院を過ぎていくとこんな感じの階段が見えてきました。
ここが次の目的地、青蓮院ランドスケープの門の外になります。ここから中に入ることはおそらく不可能でしょうが、蓮子とメリーの二人が階段を駆け上がっていく姿が想像できます。
青蓮院がどんな寺院なのかは知りませんがとにかく入ってみます。
中々に重厚な存在感を誇る門です。
中に入って受付にて入場料を払います。撮影禁止エリアもあるそうなので注意しながら奥へと進みます。
青蓮院のメインは青不動と呼ばれる仏画だそうです。ここで書くと長くなりそうなので割愛させていただきます。撮影可能なエリアもありましたが撮り忘れました...。
青不動を見た感想といたしましては、「やべぇ」以外に思い浮かびませんでした。
この寺院は青不動以外にもう一つ特筆すべきものがあります。それは素晴らしい庭園です。本当の目的は、この庭園ですので改めて気合いを入れていきます。
受付の人に撮影可能範囲を聞いて、ランドスケープを写真に収めることができることを確認していざ入っていきます。
はぁ~(クソデカため息)。控えめに言って
良い。
これはマジで良いです。しかも僕以外誰もいない。ここ見て行けば拝観料+500円くらいのお得な気分になれます。このとき内心では、凄いところに来てしまったと思ってました。あと翡翠色の池は初めて見ます。
順路通りに進んでいくと、目的のランドスケープに近づいていきます。
青蓮院ランドスケープです。実はこの寺院、季節限定でライトアップなるものをやってるらしく、青く照らされるそうです。
元ネタも、そのイベントに合わせて蓮子とメリーがこの寺を訪れているところを描写しているので、ぜひとも再訪したいものです。
奥に見える門が、先ほど外から撮影した門になります。あの門をくぐった先には、
こんな風景が広がっているなんてなかなか想像できないです。
石畳を通り、この庭を突っ切って青蓮院を後にします。
京都の名があまり知られていない寺院というものに初めて入りましたが、なかなか素晴らしい体験でした。このレベルのものがごろごろ転がってる京都、恐ろしいです。
次に向かうのは蹴上発電所ランドスケープ、いよいよ琵琶湖疎水周辺のランドスケープに入っていきます。
蹴上発電所ランドスケープ
琵琶湖疎水とは、明治期に京都を発展させるために、琵琶湖から京都に水を引いた壮大なプロジェクトです。
また、日本人技師のみで完成させた大規模トンネルでもあります。
歴史的にも、産業的にもかなり価値のあるものです。今も琵琶湖の水を京都に引き続け、京都においては重要な役割を果たしています。
このランドスケープ、大通りに位置しているため中々目立つところにあります。
さて青蓮院門跡を後にし神宮通を北上、三条通と交差したところで東に向かいます。
このとき、左側通行で向かうことをおすすめします。
ホントにいきなりこんな感じです。歩道からこのようにして撮影できます。
蓮子が梯子に足を掛ける様子がありありと想像できます。
良い感じにツタが伝っていて、雰囲気が出ています。あと、この暗さで奥に引きずり込まれそうな感じです。
廃墟×秘封はやはり相性が良いです(異論は認める)。
そろそろ日が暮れてきましたが、まだ巡りたい場所はあるので先を急ぎます。
天の岩戸ランドスケープ
次は天の岩戸ランドスケープです。
天の岩戸と言えば日本神話の中のお話であり、いかにも秘封倶楽部が取り扱いそうな話題ではあります。
天の岩戸のお話は、アマテラスが岩の扉を閉めたため世界が暗くなったが、扉の前で宴会を行ったところその雰囲気につられアマテラスが出てきた、という解釈をしています。
さて、神社入口に着きました。
良い感じに山の中にある神社みたいです。
というわけで登っていきます。
途中こんなものを見ることができます。
琵琶湖疎水の遺構群です。ここが琵琶湖疎水の重要な拠点であったことが伺い知れます。
しかし、先ほどから心配しているように、日が暮れてきたので先を急ぎます。
かなり急な坂を上っていくと目的のランドスケープがある神社に到着します。
日向大神宮です。
この神社の祭神は天照大神です。神社関係者を除けば僕以外誰もいないようで、その厳かな雰囲気を肌で感じることができます。
むしろ、人がいないことで厳かさを保っているような感じがします。
奥に内宮がありそこに主祭神が祀られているようなので、参拝を行い目的地を目指します。
目的地は内宮左手に山に入る階段があるので、そこを上っていきます。
ランドスケープはすぐそこです。
着きました。天の岩戸ランドスケープです。
ここは実際にくぐることができるようになっています。割と狭く、身長が大きい人はかがまないと進めません。
くぐると何かご利益があるわけではないですが、せっかくなのでくぐりました。中には小さな祠が設置されており、賽銭が供えられています。天の岩戸に縁があるということで参拝しておきました。
急ぎ足で次のランドスケープに向かいます。
次のランドスケープで、1日目を締めくくろうと思います。
というわけで来た道を戻る戻る。
どんどん日が暮れていきますが、途中の蹴上インクラインがとても画になる風情を醸し出していたので、思わず写真を撮りまくります。
いいっすねぇ~^
割とホントに日が暮れてきて、撮影ができなくなってしまうので急ぎ足で次の目的地、南禅寺を目指します。
水路閣ランドスケープ
次のランドスケープも、琵琶湖疎水関連のランドスケープです。このランドスケープの舞台である水路閣は、寺社の境内の中にある産業的遺物(もちろん現役)という少し特殊な特徴を持ちます。
南禅寺を正面から入り、奥に進み案内通り南に進むと目的地が見えてきます。
境内にある産業的遺構と聞いていたので、場違い感があるんじゃないかと思っていましたがそんなことは無かったです。
むしろ、ずっと昔からここにあったかのような雰囲気を醸し出しています。
目的のランドスケープは、ここより少し東にあります。
水路閣ランドスケープです。この写真は西を向いて撮影しています。
先ほどから何回も言っている通り、この水路は現役です。そのため、水が流れる音がずっと聞こえてきます。
たぶん、夏に来ると気分が若干涼しくなると思います。
冬は普通に寒いです、はい。
水路閣を流れる水は、哲学の道に沿う川に通じています。また、下鴨や堀川といったところにまで通じています。
これらの水は産業発展のために使われ、今の京都を形作る礎を作りました。
レンガ造りのその水路は、京都の発展を見届けた後、今も静かに京都に琵琶湖の水を供給しています。
100年とちょっと前の遺構がこんな風に残っているのなら、今から100年後に私たちの作った建造物はどのように残っているのでしょうか。
コンピュータによる設計支援がなされ強度解析が簡単にできるようになっている今日この頃、多くの先人たちの知恵や失敗が体系化され、安全に対する意識はもはやこれ以上高めようが無いところまで来ています。
建造物は増改築が繰り返されるか、もしくは取り壊されるのが当たり前のこの時代、私たちが昔を思い出し懐かしむような建造物は徐々にその姿かたちを無くし、記憶の中にのみその形が残るようになるでしょう。
それが人類の生活福祉の向上に寄与するのであれば、歓迎されてしかるべきです。ほとんどの人間は不便であることを望みません。強いて言うならば、便利になりすぎた世の中で、「あえて楽しむ不便」が流行するくらいでしょう。
しかし、時代の波に取り残されるものというのはどの時代にもあるものです。観光地化されるもの、人知れず忘れ去られ自然に飲まれるもの、さまざまあると思います。
私たちが作り、運良く未来に残された建造物は未来人にどのように思われるのでしょうか。
素晴らしい遺構だから可能な限り保存すべき、危ないから廃止・取り壊しを行うべき、利便性向上のために増築・改築を行うべき、用がないから放って起きても問題は起きない...、いろいろな判断が下されることでしょう。
いずれにしろ、私たちが生きた時代を物語る建築物というのは時が進むとともに、消滅していきます。
これは、今も現在進行形で進んでいるものです。ですが現在進行形と言っても、今現在から見て昔の建造物のことですが...。
私たちが今見ている昔の建造物は、その時代のたった一側面を切り取ったものです。その時代がそこに全て残されているわけではないのです。
だからこそ、そこに思いを馳せる余地が生まれるのだと思います。
そしてそこに幻覚を見ることができるのです。
今見ている秘封倶楽部の幻覚も、そこに思いを馳せているから見ることができる。
そして、その幻覚はいずれ消えてしまう。
なので、僕は今色々なところを巡っています。秘封倶楽部の幻覚を見るために。
今しかできないのであれば、今やってしまうべきです。人生一度きりなら、人様に迷惑を掛けない範囲で自分がやってみたいことをやるべき、と僕は考えています。
なんかぐだぐだ話しましたが、なんやかんや一日目終了です。
もっと短くまとまる予定だったのに。
なぜこうなった。
帰りは、最寄りの京都市営地下鉄を使い帰りました。
京都駅に降り立って、思い出しました。
これです。これが無ければ始まりません。
夜の京都駅、すべての始まりです。
今後何度も見ることになるであろうこの景色は、今まさに自分が旅をしているという感覚を与えてくれます。
ここが不思議を探す旅の始まり....、とでも言えばいいでしょうか。
というわけで一日目は終了、二日目に突入します。
二日目はそうですね...、山にでも行きますか。
二日目に続く↓